バーチャルパン工場
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パンの材料
パン作りのスタートは、原料選びです。
● 主な原材料
1) 小麦粉
  強力粉
含まれる蛋白質(グルテン)の量により強力粉、薄力粉などに分類されます。パンには主に強力粉が使われます。
  等級
等級は小麦粉の純度を表し小麦粒の中央に近い部分を挽いた小麦ほど等級が高くなります。外皮に近い部分が多くなると等級が下がり灰分(ミネラル)などの栄養素が多くなります。
  小麦粉の選択は単に蛋白質が多ければ良い、等級がたかければ良いというものでなく作るパンの種類により選択されます。
  国産小麦は蛋白質の量から中力粉程度に分類されパンには向いていると言えません。
  愛知県の学校給食パンは県内で採れた小麦を20%混入しています。
2) イースト
  イーストは小麦粉およびその他の材料に含まれる糖を栄養分として分解し、炭酸ガスとアルコール・有機酸を生成します。
  炭酸ガスはパン生地に含まれパンを膨らませます。アルコール・有機酸はパンの風味を作ります。
  生イーストはパン酵母を純粋培養したものを圧縮したもので冷蔵保管が必要てす。それに対しドライイーストは乾燥してあるため常温保管も可能ですが使用前にぬるま湯で戻す必要があります。
  天然酵母といわれるものは工業的に量産されていない酵母でイーストと同じ酵母の仲間です。
3) 油脂
  バター、マーガリン、ショートニング等を使用します。
  油脂はパン生地の中でグルテンの伸展性を良くしパンのボリュームを大きくする働きをします。製品になった後ではパンに風味を与え老化を遅くします。
4) 食塩
  食塩は生地段階では蛋白質分解酵素の働きを抑えグルテン組織を引き締めて安定した生地を作ります。
  製品においては塩味を与えます。
  通常は小麦粉に対し2%を加えます。
5) 砂糖
  砂糖は生地段階ではイーストの栄養源として働きます。また焼成段階でパンの焼き色と香りを良くします。
  製品においては甘みを与えるだけで無く砂糖の保湿性によりパンの老化を防止する役割があります。
  イーストの発酵に必要な砂糖量は5%程度です。菓子パンのように甘みを出すパンは20%以上の砂糖を使用しますがこの場合砂糖がイーストの活動を阻害したりグルテンの伸展性を悪くする等の影響があります。
6) ミルク
  ミルクは焼成時に鮮やかな焼色を作る働きがあります。
  製品にはミルク風味を与えます。
7) その他
  イーストフード
多くのパンにはイーストフードが使われます。これはイーストの栄養源だけでなくパン生地の物性を改良する働きをしています。
ベーカーズパーセント
本文及び殆どのパンのテキストではパンのレシピー(配合)を表すのにベーカーズパーセントを用いています。

これは使用するイースト、砂糖、塩等の量を小麦粉を100とした時に何%になるかという計算をします。砂糖5%という場合小麦粉100gの生地に砂糖を5gとなりその他の材料の量に関わらず変わりません。

全ての材料の%の合計は100%になりません。またパン製品の成分比率とも違います。
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